1. はじめに
電気電子工学コースでは、3年生からレポートを電子的に提出します。 昨年度は図の作成、グラフの作成を先に実施しましたが、今年度はすでにレポートの執筆が始まっているので、先にレポートの書き方をやってしまいます。 今回の授業は、先にそれぞれの方法を説明し、後半で実際に演習をやってもらいます。
2. LaTeX によるレポート作成
2.1 節と副節
上に書かれた「LaTeXによるレポート作成」が節になります。
LaTeX では\section
コマンドで記述します。
また、その下の「節と副節」の部分は副節に相当し、\subsection
で記述します。
まとめるとこんな感じです。
\section{LaTeX によるレポート作成} \subsection{節と副節}
2.2 図の貼り付けと参照
図を貼り付けるには、figure 環境を利用します。
figure はフローティング環境と言われ、LaTeX が適切な場所に配置してくれます。
この例では、top, bottom, page の順に配置場所を候補にします。
論文などでは here の h はあまり使わないのですが、レポートだと段組もなく、上下のスペースがないので、使っても仕方ないかもしれません。
PDF ファイルは \includegraphics
コマンドで挿入します。
この時に[]で図のサイズを指定できます。
また、後で説明する参照のために\label
コマンドでラベルを指定します。
本コースでは、図のラベル名には fig: を付けるようにしています。
\begin{figure}[tbp]% 図の環境を開始 (top, bottom, page の順で配置を試みる) \centering% 環境をセンタリング \includegraphics[width=10cm]{graph1.pdf}% pdf を挿入 \caption{作成されたグラフ}% キャプションを記述 \label{fig:graph1}% 図のラベルを設定 \end{figure}% 図の環境を終了
レポートでは図を配置したら、必ず本文から参照しなければならなりません(参照されていないと減点になると思います)。
電気電子のスタイルファイルでは\wfig
コマンドが利用できます。
この時、ラベル名は「fig:」を外したものを記載します。
\wfig{graph1} は gnuplot で作成されたグラフである。
2.3 表の貼り付けと参照
表も図と同様にフローティング環境であり、table 環境を利用します。
図と異なり、\caption
コマンドは表の上に付けます。
また、表のラベルには「tab:」を付けます。
表の配置については figure と同じです。
\begin{table}[tbp] % 表の環境を開始 (top, bottom, page の順で配置を試みる) \centering% 環境をセンタリング \caption{作成されたグラフ}% キャプションを記述 \label{tab:魔法陣}% 図のラベルを設定 \begin{tabular}{|c|c|c|}\hline 2 & 9 & 4 \\ \hline 6 & 1 & 8 \\ \hline 7 & 5 & 3 \\ \hline \end{tabular} \end{table}% 表の環境を終了
表の参照は\wtab
コマンドを利用します。tab: を除いたラベルを記述してください。
\wtab{魔法陣}は$3\times 3$の大きさの魔法陣である。
2.4 数式の記述と参照
数式の記述はすでに説明している equation 環境を利用します。
もし、数式が複数行にまたがる場合には、最近は align 環境を利用します(以前は、eqnarray 環境がよく使われていましたが最近は使いません)。
こんな感じで記述してください。
数式のラベルには「eq:」を付けます。式が継続していて番号を振りたくない行には \nonumber
を記載する。
\begin{align} y &= \int\left(\int-g dt\right) dt \nonumber \\ &= \int(-gt + C_1)dt \nonumber \\ &= -\frac{1}{2}gt^2 + C_1t + C_2 \label{eq:自由落下運動} \end{align}
数式の参照には\weq
コマンドを利用します。eq: を除いたラベルを記述してください。
\weq{自由落下運動}は自由落下運動の微分方程式である。
3 Word によるレポート作成
LaTeX のスタイルファイル同様に Word のスタイルファイルも配布しています。 Word のテンプレートファイルを開いたら、最初にスタイルウインドウを表示してください。
3.1 節と副節
スタイルウインドウで「1 見出し、1, 章タイトル」という場所をクリックすると節が書けます。 節番号や副節番号は LaTeX の場合と同様に自動的に設定されます。
3.2 図番と図の参照
Word の場合、図の貼り付けは問題ないと思います。 図を書いたら図の下に図番を記載してください。 これもスタイルウインドウから「図1 図タイトル」というものをクリックします。 クリックするとこんな感じで図タイトルが設定されます。 この時、図番も自動的にカウントされます。 なお、図を入れ替えると図番は自動的に採番されるので気にする必要はありません。
図を本文から参照する場合には、以下の手順を実行してください。
- 参照設定リポンを開きます
相互参照をクリックします。
開いたウインドウで、「番号付きの項目」「段落番号」になっていることを確認した上で、該当する図番号を選択し、挿入とします。 これで本文内に「図1」のような参照が入力されます。
図の参照は便利なのですが、後から図の位置を変更した場合には、図番は自動的には更新されません。 この時には、参照の上で右ボタンをクリックし、「フィールドの更新」を実行する(もしくはF9を押す)ことで番号を更新することができます。 ただし、一つ一つやるのは面倒なので、通常はCtrl-A で文章全体を全て選択した後で、フィールドを更新とするようです。
3.2 表番と表の参照
これは「表1 表タイトル」を選ぶ以外は図と同じです。ここでは説明を省略します。
3.3 式の記述と式の参照
テンプレートの(1)式に空の数式欄を用意しています。 これを一番最初に Word の数式ギャラリーに登録してください。 最初にこの空の数式全体を選択します。
次に挿入リポンを表示し、数式の右の「v」マークから「数式をギャラリーに保存」を実行します。
数式を参照する場合には、数式番号にブックマークを貼ることで実現します。 数式を選び、挿入リポンのブックマークをクリックして、ブックマーク名を記載します。
式の参照を追加するには、相互参照で参照する項目でブックマークを選択し、ブックマーク文字列を挿入します。 こちらも後から式番がずれた場合には、フィールドの更新を実施する必要があります。
これ以外の項目については授業中に説明する。