LaTeX 論文執筆をサポートする方法: Notion Tips (102)

はじめに

Notion Tips の第102回目は LaTeX で論文執筆をサポートするいくつかの手法を解説します。

数式のストック

Notion 内部では 「KaTeX」という数式を記述するライブラリが使われていると思われます。このライブラリは、理数系の論文執筆に利用される LaTeX の数式部分を Web コンポーネントとして描画できるライブラリです。

katex.org

電子情報通信学会などのように、論文を LaTeX で提出すると安く出版できる学会も多いことから、理数系の学会では LaTeX で論文を執筆することが多いです。その結果、大学の研究室では LaTeX で論文を執筆させるところが多いです。

LaTeX で論文を執筆するときに面倒なのが実は数式です。LaTeX は単なるテキストをタイプセットすることで PDF などを作成するのですが、面倒な数式などはエラーが出やすく、その度に修正してはタイプセットを繰り返すことが多かったです。数式のタイプセットで泣かないようにするために、 Notion でよく使う数式をストックしておきましょう。

KaTeX の数式

Notion の式ブロックではリアルタイムにタイプセットをするので、エラーが即座にわかります。ここで正しい数式が作成できたら、式ブロックをそのままコピーします。その後、LaTeX を執筆しているエディタに貼り付けをしてください。結果、式ブロックに書いた KaTeX のコードが $$ で括られて貼り付けられます。この $$ の部分を削除すればそのまま使えます。

エディタに貼り付けた数式

老人の戯言: LaTeX を最初に使ったのは 33 年前で X68000 というマシンを使っていた時でした。このマシンは 68000 の 10MHz という非力なマシンだったので、タイプセットをするのもかなり大変でした。そのため、数式だけをタイプセットする専用の math.tex というファイルを作成して、これで数式をタイプセット後に正しくタイプセットされた数式を本文に貼り付けることをやっていました。まさか、この時代に同じようなことをするようになるとは思いもしませんでした。

表の自動生成

LaTeX でもう一つ面倒なのは表 (tabular) です。こちらは複雑ではないので、タイプセットのミスをすることはほぼないのですが、記述量が多く疲れます。こういう決まりきった作業は人間がやるのではなく、コンピュータに任せるのがよいと思います。

Notion を使っていて論文を執筆しようと考えるような人は、すでに実験データなどは Notion でまとめるようになっていると思います。きっとシンプルテーブルなどでこんな感じでデータをまとめていると思います。表を書いた時点で Notion AI に「上の表を LaTeX のコードに変換して」と依頼します。

シンプルテーブルで作成した表データ

結果として以下のように候補を作成してくれました。ちゃんと Proposed の部分を太字にしておいたので、ちゃんと textbf で括られています。

提案された LaTeX コード

ここで「許可」をすると code ブロックに展開してくれました。ちゃんと言語も「LaTeX」に設定されていますね。

貼り付けた LaTeX コード

おわりに

とりあえず数式のサポートと、表作成のサポートについて解説しました。細かいところですが、論文を書いているときはちょっとした時間も惜しいので、少しでも楽ができるところは Notion にサポートしてもらいましょう。