プレビューによる電子押印 - macOS Tips (2)

はじめに

担任をやっているとどうしても押印する機会が多いのだが、成績表などすでに電子出力されたものに対しても「印」の文字があり、仕方なく押印をしていた。クラス全員分ともなるとこれが結構面倒だった。

こんな中で昨年度の終わり頃に管理課から、次年度から各種証明書の校長印を PDF に刷り込んで欲しいと校務支援システムの改修要請が来た。令和二年度発行の証明書から複製困難な用紙に校長印が刷り込まれた証明書を直接印刷するとのこと。管理課の作業がかなり軽減されるので、喜んで校長印のベクタライズして埋め込み用のPDFを作成 、証明書の LaTeX スタイルファイルの修正も行った。今年度早速就職の成績証明書などで活用されている。このような無駄仕事を削っていくのはいいことだ。

そんなことを年度末に実施していたので、自分の仕事も軽減しようと電子押印をどうやったら簡単にできるかを調べていた。すると、あっけなくプレビューアプリで実施できることがわかった。うちの教員はかなり Mac 使いが多いので、覚書を記しておく。

印影の準備

Mac のプレビューには以前から手書きの署名を PDF に張り込める機能は存在していた。この頃は、トラックパッドなどの上に手で書くものだったのだが、いつからか紙に書かれた署名をカメラで撮り込む機能が実装されていた(参考: Macの「プレビュー」でPDFフォームに入力する/署名する)。この時、紙に押印した印影を撮り込むことも可能になった。手順を以下に示す。

  1. 白い紙に印鑑を押印する。Web サービスで認印を作成してくれるものがあるので、その印影を紙に印刷する。私はWeb 認印のサービスで作成してみた。
  2. プレビューで押印したいファイルを開く
  3. 右側の青丸の鉛筆のようなマークをクリックした後に出てくるメニューで、赤丸の署名をクリックする。
    f:id:hkob:20200420085207p:plain
    署名ボタン
  4. カメラのタブを開き、表示された線の上くらいに印影が写るようにする。周りが白くなかったり、印影の色が薄かったりするとうまく取り込めないので、白黒コピー or 印刷などをしてコントラストがはっきりするようにするとよい。
  5. うまく取り込めると以下のように署名に印影が取り込まれる(下は大昔にトラックパッドで無理矢理書いた汚い署名なので気にしないで)。
    f:id:hkob:20200420085558p:plain
    撮り込まれた署名

使い方

上記の署名をクリックすると書類に印影が張り込める。もともとは署名の機能なのでデフォルトでは黒になっているが、選択後に色を変えることができる。後は該当の部分に印影を移動すれば終わりである。

学生の成績表の場合には、学生の人数分押印が必要となる。この時には1人目の学生の押印をコピーしたのち、2人目のページに飛びペーストすることで同じ位置に押印がコピーされる。成績表の横ずれが大きくなければ、ページ送りとペーストを繰り返すだけで全学生の押印が完了する。最後にカラープリンタで印刷すれば完了となる。

おわりに

押印文化がなくなればよいのだが、それまではこんな感じでうまく付き合っていければいいのではないかと考える。世のリモートワークの流れで、これまで当たり前だと思っていたことが、色々と変わりつつあるので今後を期待したい。

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