テキストの編集

土日は家族サービスでコンピュータを立ち上げなかったので,はてなの記述もお休みしました.今日はまず脱線から.

iPad を使っているといろんな人から「これってパソコンの替わりになる?」と質問を受けます.あまりコンピュータ関係に詳しくない人には,面倒なので「基本的にはビューワですから,期待しない方がよいです」と言っています.実際に私がどう使っているかというと,ビューワ + プレゼンツール + アイデアプロセッサ + 自己管理ツール + ゲーム機という感じでしょうか.

iPad を使っていて一番便利なのは,iOS の Human Interface Guide にあるように,ファイルという概念を極力意識させないこと,保存という特別な動作を必要とせずに情報が保存されていることという点にあります.こういったことが,今までパソコンを使っていた人には理解しにくいのではないかと思うのですね.OS X Lion において,自動保存の API が実装されるようですが,どれくらいのソフトウェアがこれに対応してくるのかちょっと楽しみな今日この頃です.

さて,本題.iOS でテキスト編集をする場合,二つの用途が考えられます.

  1. とにかく覚え書き用にメモを記述する.ファイル名などは気にしたくない
  2. パソコンで利用する LaTeX, Ruby, C, Matlab などのソースファイルを編集したい

少なくとも私の用途では,iPad 単体で完結するのではなく,Mac と情報を共有したいと考えています.

まず前者ですが,少し前まではDaily ノートを使っていました.非常に使いやすいノートだったのですが,書いていたものを Mac と同期できないため,現在は使うのを止めてしまいました.結局今は,標準の「メモ」を使用しています.メモの便利なところは,

  1. ファイル名を意識する必要がない.
  2. 保存の必要がない.
  3. Mail.app のメモと自動的に同期する.
  4. 日付を書くと iPad 上では自動的に「イベントを作成」リンクが表示される.ここからスケジュールを登録できる.

という点にあります.一番最後の項目は会議で議事録を書いた時に便利で,議事録を記載後,そのまま日付からスケジュールを登録してしまうという荒技ができます(書いている途中では無理ですが,再表示すると日付がリンクに変わります).書いた議事録は,そのまま iPad からメールで送信することもできます.また,Mac で Mail.app を開くと自動的にメモに記載したものが同期しているので,あとは Word や Pages など好きなアプリケーションで体裁を整えることもできます.

一方,後者のテキスト編集はどうしてもファイル名の呪縛から離れられません.iPad では直接ファイルを管理することができないので,ファイルは Dropbox 上に保存しておきます.そして,iPad 上では PlainText というアプリを使用します.このアプリの特徴は

  1. Dropbox 上のテキストを編集できる.
  2. ファイル名は意識する必要があるが,保存の必要はない.
  3. Dropbox 上の PlainText というフォルダと自動同期しているので,オフラインでも更新できる.

などがあります.なお,Mac の方では Dropbox に直接ファイルを置く必要はなく,ファイル本体のシンボリックリンクを設定するだけで Ok です.

さて,どちらのアプリも保存という概念はありません.変更すると勝手に保存されてしまいます.慣れるまでは大丈夫だろうかと心配でしたが,Undo,Redo はあるのでそれほど問題にはなりません.最悪,母艦の Dropbox フォルダは Time Machine で管理されているので,いざとなったらそこから復元できます.また,私自身は使ったことがありませんが,Dropbox 自体にもバージョン管理機能はあるので,そちらで復元してもよいですね.

P.S.
iPad の Undo, Redo はあまり気づいていない人がいると思うので,ここに書いておきます.

undo
英語キーボードにして,「.?123」を押すと「ABC」の左斜め上に「undo」キーが現れます.
redo
同じく「.?123」モードで「#+=」ボタンを押すと,先ほどの「undo」キーが「redo」キーに変わります.